福利厚生の活かし方についてわかりやすく解説

更新日:2024年6月25日

福利厚生とは ~ 福利厚生の活かし方、求められているもの ~

一般的に福利厚生とは、従業員にとって賃金や休日などのように絶対的な労働条件ではないものの、企業が経営上の必要性に応じて、従業員の生活や心身の安定を維持するためのひとつの手段であり、企業および従業員の双方にメリットをもたらすことが期待されます。 福利厚生は、法律で加入が義務付けられた社会保険制度などの「法定福利厚生」と、企業が経営上の必要性に応じて任意で行う「法定外福利厚生」の2つに分けられますが、一般的に「福利厚生」と呼ばれるものの、多くは「法定外福利厚生」を指しています。 企業が取り組む、法定外福利厚生の具体的な施策としては、従業員を対象に業務遂行上で必要性の高い「健康保持・増進、社員食堂、制服・作業服、休憩・更衣室」などをはじめ、従業員の家族も含めて支援する施策として、「医療費補助(法定外)や住宅支援(社宅・寮)、余暇・レクリエーション、日用品等購買、団体保険、育児・介護支援、財産形成、慶弔災害見舞給付」などがあります。 福利厚生が賃金と異なる点として、従業員個々の業務成果にかかわらず、同じ企業に勤めている従業員であれば皆公平に、各種支援や補助を受けられること、課税所得とならない経済的利益があることが挙げられます。 また企業側においても、損金算入ができるといったメリットもあります。このような特徴を有した福利厚生を活用し、従業員の生活や心身の安定の維持を図りつつ、企業の事業運営の継続と発展といった経営効果にいかにつなげるかが、経営課題のひとつと考えられています。
さて、昨今、叫ばれている働き方改革への対応については、各種法律で企業責任が規定(育児介護休業法、パートタイム労働法、次世代育成支援対策推進法、がん対策基本法など)されているため、法令順守やCSRの観点からも多くの企業が福利厚生の充実・強化に取り組んでいます。 福利厚生の充実・強化を行うことは、従業員への生活基盤の安定と労働意欲向上、そして、企業の事業運営の継続と発展につながることに加え、働きやすさといった企業の社会的評価にも結び付きます。 今後、福利厚生の求められるものとして、昨今頻発する自然災害発生時に被災した従業員への各種支援(災害見舞金・生活資金貸付、自治体等の被災者支援情報の周知等)や、働き方改革の進行に伴う、同一労働同一賃金論議における賃金以外の待遇差解消(キャリア形成・能力開発等)、さらには両性婚を前提した現在の社会保障制度下でのLGBTへの対応等も想定され、企業としての対応を視野に入れなければなりません。 さらに、福利厚生の充実・強化にかかわる人的資源および財務的コストは有限であることから、自社の従業員の生活スタイルやニーズ、法律等各種情勢にマッチしたものをスクラップ&ビルドしていく必要があります。
(著:一般社団法人 企業福祉・共済総合研究所)

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